このページではプロジェクトをセットアップした後の sbt
の使い方を説明する。
君がsbt をインストールして、
例題でみる sbtを実行したことを前提とする。
プロジェクトのベースディレクトリで、sbt を引数なしで実行する:
$ sbt
sbt をコマンドライン引数なしで実行すると sbt シェルが起動される。 インタラクティブモードにはコマンドプロンプト(とタブ補完と履歴も!)がある。
例えば、compile
と sbt シェルに入力する:
> compile
もう一度 compile
するには、上矢印を押して、エンターキーを押す。
プログラムを実行するには、run
と入力する。
sbt シェルを終了するには、exit
と入力するか、Ctrl+D (Unix) か Ctrl+Z (Windows) を押す。
sbt のコマンドを空白で区切られたリストとして引数に指定すると sbt をバッチモードで実行することができる。
引数を取る sbt コマンドの場合は、コマンドと引数の両方を引用符で囲むことで一つの引数として sbt
に渡す。
例えば、
$ sbt clean compile "testOnly TestA TestB"
この例では、testOnly
は TestA
と TestB
の二つの引数を取る。
コマンドは順に実行される(この場合 clean
、compile
、そして testOnly
)。
Note: バッチモードでの実行は JVM のスピンアップと JIT を毎回行うため、ビルドかなり遅くなる。 普段のコーディングでは sbt シェル、 もしくは以下に説明する継続的ビルドとテストを使うことを推奨する。
編集〜コンパイル〜テストのサイクルを速めるために、ソースファイルを保存する度 sbt に自動的に再コンパイルを実行させることができる。
ソースファイルが変更されたことを検知してコマンドを実行するには、コマンドの先頭に ~
をつける。
例えば、インタラクティブモードで、これを試してみよう:
> ~testQuick
このファイル変更監視状態を止めるにはエンターキーを押す。
先頭の ~
は sbt シェルでもバッチモードでも使うことができる。
詳しくは、Triggered Execution 参照。
最もよく使われる sbt コマンドを紹介する。全ての一覧は Command Line Reference を参照。
clean | (target ディレクトリにある)全ての生成されたファイルを削除する。 |
compile | (src/main/scala と src/main/java ディレクトリにある) メインのソースをコンパイルする。 |
test | 全てのテストをコンパイルし実行する。 |
console | コンパイル済のソースと依存ライブラリにクラスパスを通して、Scala インタプリタを開始する。 sbt に戻るには、:quit と入力するか、Ctrl+D (Unix) か Ctrl+Z (Windows) を押す。 |
sbt と同じ仮想マシン上で、プロジェクトのメインクラスを実行する。 | |
package | src/main/resources 内のファイルと src/main/scala と src/main/java からコンパイルされたクラスファイルを含む jar を作る。 |
help <command> | 指定されたコマンドの詳細なヘルプを表示する。コマンドが指定されていない場合は、 全てのコマンドの簡単な説明を表示する。 |
reload | ビルド定義(build.sbt、 project/*.scala、 project/*.sbt ファイル)を再読み込みする。 ビルド定義を変更した場合に必要。 |
sbt シェルには、空のプロンプトの状態を含め、タブ補完がある。 sbt の特殊な慣例として、タブを一度押すとよく使われる候補だけが表示され、 複数回押すと、より多くの冗長な候補一覧が表示される。
sbt シェルは、 sbt を終了して再起動した後でも履歴を覚えている。 履歴にアクセスする最も簡単な方法は矢印キーを使うことだ。
注意: Ctrl-R
を使って履歴を逆方向にインクリメンタル検索できる。
JLine のターミナル環境との統合によって $HOME/.inputrc
ファイルを変更することで
sbt シェルをカスタマイズすることが可能だ。
例えば、以下の設定を $HOME/.inputrc
に書くことで上矢印キーと下矢印キーが履歴の前方一致検索をするようになる。
"\e[A": history-search-backward
"\e[B": history-search-forward
"\e[C": forward-char
"\e[D": backward-char
sbt シェルはその他にも以下のコマンドをサポートする:
! | 履歴コマンドのヘルプを表示する。 |
!! | 直前のコマンドを再実行する。 |
!: | 全てのコマンド履歴を表示する。 |
!:n | 最後の n コマンドを表示する。 |
!n | !: で表示されたインデックス n のコマンドを実行する。 |
!-n | n個前のコマンドを実行する。 |
!string | 'string' から始まる最近のコマンドを実行する。 |
!?string | 'string' を含む最近のコマンドを実行する。 |